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年末調整の控除証明書が届き始めました

  こんにちは。千葉県鎌ケ谷市の税理士池田光智です。
 今週に入り、生命保険会社から年末調整の控除証明書が届きました。例年のことながら、年末調整の時期が到来したと実感しています。
 提出期限ギリギリに慌てて、提出漏れなどで損しないように、事前に証明書などはまとめておきましょう。

1.年末調整で所得税の還付を受けるために

 年末調整とは、会社が従業員の代わりに1年間の「正しい所得税額」を計算し、「毎月の給与から徴収されていた所得税」との過不足を調整することをいいます。
 所得税を納めすぎていた人には税金が還付され、不足していた人には追加で税金の支払いを求めます。
 年末調整で正確な税金計算してもらうために、以下の控除書類をしっかり提出しましょう。
 

①国民健康保険料・国民年金保険料等

 国民健康保険料や国民年金保険料を納めている場合は、納付額が全額所得控除となります。国民健康保険料は納付した領収書、国民年金保険料は証明書が送付されてきますのできちんと保存しておきましょう。
 なお、控除の対象となるのは、その年の1月1日から12月31日までに納付した保険料です。過去の保険料を今年まとめて支払った場合は、すべて今年の所得から控除できますので、きちんと提出しましょう。

②生命保険料・地震保険料等

 生命保険料控除には3つの控除枠があり、それぞれの控除限度額が4万円となっており、最大で12万円の所得控除を受けることができます。(下図参照)
 地震保険料控除(旧長期損害保険料控除)も控除の対象となり、最大で5万円の所得控除をうけることができます。
 いずれも計算が少し複雑になっていますので、控除証明書はすべて提出するようにしましょう

③住宅借入金等特別控除(2年目以降

 住宅ローン控除は、金融機関から送られてくる「借入金の年末残高証明書」のほかに、「住宅借入金等特別控除申告書」が必要です。控除証明書は通常1年目に10年分の証明書の発行を受けていますので、紛失した場合は所轄税務署に再発行の手続きを取りましょう。

④確定拠出年金・小規模企業共済

 平成29年から確定拠出年金の枠が広がり、初めて適用になる方もいるかもしれません。いずれも掛金が全額所得控除となりますので、「掛金払込証明書」を忘れずに提出しましょう。

2.所得税から控除できないもの

 以下の書類を誤って提出される方がいますが、残念ながら税金は所得から控除することはできません。
 ①住民税の領収書
 ②固定資産税の領収書
 ③事業税の領収書

3.確定申告が必要になるもの

 以下の控除項目に関しては、年末調整で計算することができません。
 控除を受けるためには確定申告をする必要がありますので、ご注意ください 。
 ①住宅借入金等特別控除(1年目
 ②寄付金控除(ワンストップ特例は必要なし)
 ③雑損控除
 ④医療費控除
 ⑤セルフメディケーション税制 ※詳細はこちら

4.前職源泉徴収票の提出漏れに注意!

 年の中途で入社した方で前職がある場合は「前職の源泉徴収票」を必ず提出して下さい。
 前職の源泉税額も還付される可能性がありますので、受け取っていない場合は、早めに前職の会社から取り寄せておきましょう。
 電話をかけづらい方もいると思いますが、通常、源泉徴収票は退職後1カ月以内に退職者に発行するものですので、「源泉徴収票をください」と一言いえば発行してもらえるでしょう。

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