軽減税率対策補助金の〆切間近です
こんにちは。千葉県鎌ケ谷市の税理士池田光智です。
総選挙が終わり、与党の勝利で2年後の消費税の増税もほぼ確実となりました。
税理士会としては、処理が煩雑かつ複雑で、中小企業の負担が多い軽減税率方式を改め、単一税率制度の維持を求めていましたが、現行通り軽減税率制度が施行されそうです。
消費税減税率導入にあたっては、小売・飲食事業のみならず、あらゆる業種で経理方法の変更などの対応が必要です。
とりわけ自社の販売商品に関係する業種は、複数税率対応レジの導入が必要となります。
実は、こうした中小零細事業の負担を軽減するためのレジ導入費用の2/3~3/4を国が補助してくれる軽減税率補助金の申請期日があと3ヵ月ほどと迫っています。
本日はレジ導入支援「軽減税率対策補助金A型」についてご紹介します。選挙で増税が確定してから導入を検討していた事業主の方は是非、お早めにご確認ください。
1.消費税軽減税率制度とは?
平成31年10月の消費税率10%への引き上げに合わせて、低所得者に配慮する観点から生活必需品の一部の税率を現行の8%に据え置く制度です。
≪対象商品≫
①飲食料品(お酒や外食サービスを除く)
②週2回以上発行される新聞(定期購読されるものに限る)
2.会社や事業主側で必要な対応は?
軽減税率の対象商品を取り扱わない法人や個人事業主においても、事業に必要な飲食品類や新聞を購入した場合などは、区分経理する必要があります。主に必要な対応は以下の通りです。
①適用税率に区分した帳簿への記帳
②複数税率に対応したレジへの変更
③新しい記載ルールに則った請求書や領収書の発行
④税率ごとに区分した税務申告
3.補助金はいくらもらえる?
複数税率対応レジの導入支援における補助金は、以下の区分に応じて「導入費用に補助率を乗じた金額」で、1件当たり20万円が上限です。
取得費用と設置費用の両方申請した場合、1台につき最大40万円で、1事業者当たりの上限額は200万円です。
4.誰でも補助金をもらえる?
補助金を受けられる申請者は、中小企業支援法に規定する中小企業者です。軽減税率対象商品を将来にわたり継続的に販売するために複数税率対応レジを導入又は回収する必要のある事業者であることなどが要件です。
中小企業者の要件はこちらをご参照ください。
5.どんなレジでも受けられる?
補助対処機器等は、「事前に指定された指定メーカーにより補助金事務局に登録されたレジ」であり、且つ「以下の要件を満たす複数税率に対応したレジ」であることが必要です。
要件1:売上げの区分経理に資する機能
要件2:区分記載請求書等保存方式に対応した請求書等の発行機能
⇒以下の7つの事項を記載した請求書等を発行できる機能を有すること
①請求書発行者の氏名又は名称
②取引年月日
③取引の内容
④対価の額
⑤請求書の受領者の氏名又は名称
⑥軽減税率の対象商品である旨の表記
⑦税率ごとに合計した対価の額
※導入する機器が補助対象となるかは、事務局ホームページでも参照できます。
6.補助金申請の期日は?
申請期日:平成28年3月29日~平成30年1月31日
レジを導入・回収完了後、支払を済ませた上で、交付申請が必要です。
補助金交付申請の受付期限は、平成30年1月31日《消印有効》となります。
7.補助金申請に必要な書類・手続きは?
申請に必要な書類は、申請書と証拠書類です。事前申請等は必要ありません。申請は自己申請が基本ですが、メーカーや販売店などによる代理申請が認められていますので、申請が苦手な方は、事前に購入先に相談する方法も選択肢としてあります。
≪申請に必要な書類≫
①補助金交付申請書
②対象製品証明書
③レジ購入時のお領収書等の費用明細
④飲食料品等を記載した仕入請求書
⑤振込口座が確認できる通帳
⑥本人確認書類(個人事業のみ)
※6台以上購入する場合やリース契約の場合は異なりますので、詳しくは公募要領をご参照ください。
8.免税事業者ももらえるの?
中小企業支援法上の中小企業者に該当する事業者であれば、免税事業者であっても補助金の申請ができます。また、個人事業主の場合は、従業員数で業種ごとの要件を満たせば、支援対象となります。
9.今後の動き
平成35年10月1日からは適格請求書等保存方式(インボイス制度)の導入が予定されています。事業者は、税務署への事前の申請登録や区分記載請求書等への登録番号の記載など、より厳密な運用が課されます。適格請求書等の発行に対応したレジシステムも今回の補助金の対象となりますので、先を見越して導入するのも一つの方法といえます。